「移り気な女に」:ホラーティウス

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ホラーティウスの『詩集』1.5を紹介します。

Quis multa gracilis te puer in rosa
perfusus liquidis urget odoribus
grato, Pyrrha, sub antro?
cui flauam religas comam,

simplex munditiis? Heu quotiens fidem 5
mutatosque deos flebit et aspera
nigris aequora uentis
emirabitur insolens,

qui nunc te fruitur credulus aurea,
qui semper uacuam, semper amabilem 10
sperat, nescius aurae
fallacis. Miseri, quibus

intemptata nites. Me tabula sacer
uotiua paries indicat uuida
suspendisse potenti
uestimenta maris deo. 15

いかなる細身の少年が、あふれる薔薇の中に身を横たえながら、ピュッラよ、おまえを抱きしめるのか。快い洞の部屋の中、香水をたっぷりと身にふりかけて。

おまえは黄金色の髪の毛を、誰の体に巻きつけるというのか、飾らぬ美しさを表に出しながら。

ああ、この男は、これから幾たびかおまえの信義のなさと、神々の心変わりを嘆くことになろう。黒風に荒れ狂う海を初めて知っては、驚愕することだろう。

今はおまえを黄金(アウレア)と信じて愛しているにせよ。また偽りに満ちた風(アウラ)に気づかず、おまえがいつまでも心安らかで、愛すべき女であるよう望むにしても。

憐れな男たちよ、おまえに触れぬまま、輝く美しさに魅せられているとは。この私は、すでに海の大神に、濡れた衣を吊しておいた。神殿の壁が、奉納の絵柄によって、それを明らかに示している。

ホラティウス全集
鈴木 一郎
4472119013

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この記事を書いた人

ラテン語愛好家。京都大学助手、京都工芸繊維大学助教授を経て、現在学校法人北白川学園理事長。北白川幼稚園園長。私塾「山の学校」代表。FF8その他ラテン語の訳詩、西洋古典文学の翻訳。キケロー「神々の本性について」、プラウトゥス「カシナ」、テレンティウス「兄弟」、ネポス「英雄伝」等。単著に「ローマ人の名言88」(牧野出版)、「しっかり学ぶ初級ラテン語」、「ラテン語を読む─キケロー「スキーピオーの夢」」(ベレ出版)、「お山の幼稚園で育つ」(世界思想社)。

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